ふたこぶくじら

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help リーダーに追加 RSS 放っておけない一匹犬(ローン・タルン)?〜RvR編その1

<<   作成日時 : 2007/08/25 19:24   >>

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決意のドリンク・バー


「くそっ、戻るぞ!」

「いや、このまま攻め込む!」

「守りに転じた方がいいんだよ!」

「向こうは任せて、俺たちは攻めまくるべきだ!」

「喧嘩はやめてよ、二人ともぉ・・・」

ラングディル城東、通称ラング5地域のビッグブロック・移動キャンセラの陰。ギルド「ケストレル」のメンバー、ヒューゴと隊長が言い争っている。その横でおろおろと二人を宥めようとするギルドマスターのぼぶ。

「じゃんけんで決めようぜ!」

「いや、サイコロだ!」

「んだとコラ、じゃあじゃんけんで決めるかサイコロで決めるかをまずじゃんけんで決めてだな・・・」

「サイコロだっつってんだろ!」

お互い目が血走っていて、どうも冷静な判断ができているとは思えない。
ぼぶは泣きそうな目で今回のRvRの次第を思い返していた。



RvR開始30分前。まだどちらも大きな動きはない。各防衛拠点へのビッグブロックやライトブロックの設置が終る頃だ。協定によって、RvR前の敵国陣地においての敵国人への先制攻撃は許可されていない。ただし、ある種のブロックに対しては攻撃できる。

RvR開始10分前。この頃になると、特定のブロックに対する攻撃が盛んになってくる。ギリギリまでダメージを与えておいてRvR開始とともに一気に破壊、逆に自分たちのブロックを設置して陣地を広げる。敵の盲点から奇襲するためにハイドで身を隠した放浪者が城付近まで潜入してくることもある。


RvRとはロフアイルでのみ採取できる太古のエネルギー、ネオスチームの国家間争奪戦である。ネオスチームは現代において生活に欠かせないものとなっており、国が豊かになるためにより多くのネオスチームを必要とする。そのため理想を違える両国間の争いは絶えず、週に一度の形で大規模な戦闘が交わされることとなったのだ。

ネオスチームの3箇所の採掘地点には城が建設されており、その城を占領した国家がネオスチームの供給を独占する。すなわち、いかに多くの城を取るかがRvRの最大目的である。今回の占領状況は、ログウェル共和国がガメディス城及びキリエン城、エリアッド王国がラングディル城となっている。

エリアッド王国はかつて3城を長らく独占していた時代があったが、それは主に戦力差に拠るところが大きかった。やがて国内で紛争が起こり、自然国家タクシャンなどへの移住が進むなどしてエリアッドの戦力は大幅に減った。現在ではエリアッドとログウェルとの間に戦力差はほとんど無いと言われている。

戦力が拮抗するようになると、それまで雌伏していたログウェルは磨きぬいた戦術によって反撃、瞬く間にガメディスとキリエンの2城を奪還した。エリアッドは数で押す戦いに慣れていたためか効果的に攻め込むことができず、防衛に集中するのみであった。

エリアッド民はこの事態を重く受け止め、作戦会議を頻繁に開いて団結力を高めた。結果、2城を取り戻すには至らずとも、残ったラングディル城を十数回のRVRを経ても守り抜いている。


RvR3日前のエリアッド王国、セリティプラ城会議室。RvRに参戦できるだけの力を持った兵士たちが顔を突き合わせて議論していた。

「わが国はここのところ防戦一方で、全く進展がない。国民の不満も高まっている」

「仕方が無いだろう、今の戦力ではこれが精一杯だ」

「作戦に問題があるのでは?」

「陽動と遊撃も果たしてどの程度効果があるのやら」

「なんだと!?見たこともないくせに何を言うか!」

「そもそも兵士たちに攻める気力があるのかどうか」

「まずは兵器運用に関する莫大な出費をどう賄うかが先決では」

「前線の苦労も考えてもらいたいものだ!」

最近の会議では硬直する戦争にフラストレーションが高まり、殺伐とした雰囲気が出てきている。もちろん守るばかりではなく城を攻め落とすことも考えられてはいるのだが、今一歩が踏み出せない状況だ。

「これまでの戦いでエリアッドもかなり実力をつけてきている。機さえ熟せば一気に攻め込むこともできよう」

「その機とはいつなのだ」

「いつまでも待っているうちに兵士は士気を失い、また国を離れてしまう者が出てくるぞ。なにより、もう財政が逼迫している」

「かくなる上は・・・むっ!」

口を開きかけたタルンの戦士が、突然テーブルの上に乗ったかと思うと腰の刀を抜き、天井の通風孔に突き刺した。

「どうした!?」

「何者かの気配がした」

タルンは剣を引き抜く。僅かに血がついていた。

「逃げたか・・・。近衛兵!城外を見張り、不審者を捕らえろ!」

すぐに警備兵たちにも指令が伝達される。

「参った・・・囲まれてしまったな」

セリティプラ城の尖塔の上に、一人のログウェル兵がいる。シャドーワーカーのポムでギルド「ケストレル」に所属するキノコだ。その頬には一筋の血が流れている。

「気配は消していたが・・・さすが龍騎士総団長だ」

眼下には目を光らせた警備兵たちが城を取り囲んでいる。逃げ場は無い。

「さすがにここに迎えのゼプルリーンを呼ぶのは、撃ち落としてくれと言うようなものだし・・・どうするかな」

ほとぼりが覚めるまでここで待つというわけにもいかない。いずれ見つかってしまうだろう。といって、下にも降りられない。ハイディンで身を隠しても、恐らくハーケンの網が張られているだろう。

「あのバルーンでも使えればなぁ・・・」

セリティプラ城には上下2箇所のバルーン発着場があり、上の一つは緊急事態にしか使用されない。下の、広場に近い場所は普段から狩りに向かう兵士たちに利用されている。

遠くてキノコには聞こえないが、その下の発着場では諍いが起きていた。

「なんで乗っちゃいけないのさ!?」

「ですから、城内に侵入者がおりまして・・・。現在通行は規制されているのです」

ぷんぷんと怒るスミスのポムに、バルーン担当官が困った様子で説明している。

「僕は龍騎士隊長だよ!?」

「それは存じております。ですが命令ですので・・・」

「狩りを手伝うって約束してるんだから!」

「申し訳ありませんが・・・」

「そう。じゃあもういいや」

ポムはすたすたと来た道を戻って角を曲がった。ほっ、と溜め息をついた担当官の耳に、悲鳴が聞こえた。

「ぎゃあああああ!」

すぐそこの角だ。何事か、まさか侵入者が・・・!?恐る恐る角を曲がって近づいた担当官は、不意に粘つくものを足にくらった。

「ひっ、これは・・・!?」

角を曲がった先には、人の背丈ほどのライトブロックが建設されていた。そしてその横から、さきほどのポムが飛び出した。

「ふはは、騙されたね!そのノローナキャスターは置いていくから!侵入者対策にでも使っといて!」

「あっ!!」

ポムはバルーンに素早く乗り込むと、勝手に発車してしまった。ふわふわと浮かんでいくバルーン。

「ま、待てえええ!」

担当官はバルーンを止めようと駆け寄るが、足が粘ついて速く走れない。手を振るポム。バルーンはポムを乗せたまま城の上へと飛び去っていった。

「お?あれは・・・」

尖塔の上にいたキノコは、急に浮かび上がってこちらにくるバルーンに気づいた。

「通行は規制されていると思ったが・・・。上空からの監視か?だとしたらあちらの方が低いうちに・・・」

キノコはマントを広げて足首に端を結ぶと、

「ニンニン!」

バルーンが接近したところで塔から飛び立ち、マントを器用に操ってグライダー代わりにしてムササビのように滑空した。そのままバルーンの上にぽふっと着陸。

「ん?」

乗っていたポムは少し震動を感じたが、とくに気にすることも無い様子だった。後方の城では、警備兵たちがバルーンを指差して何事か叫んでいる。
やがてバルーンが砂漠上空を通りかかったところでキノコは再び飛んで砂上に軟着陸、赤い砂漠侵攻基地へと帰って行った。

数時間後、ログウェル共和国グレティコス城の生産機前。ケストレルのメンバー5人が集まっている。

「というわけで、有力な情報は得られませんでした」

靴を脱いでひっくり返し、砂を落としてキノコが報告する。

「残念ねえ。今度こそラングディル城を落としたいのだけど・・・」

キノコの頬の傷を手当てしながら、ぼぶが嘆息する。

「どうにか外壁は壊せるんだけどな。内城からはさすがに守りが堅い」

「このまま膠着状態が続くのもつまらんしな」

ヒューゴ、けんTがそれぞれ感想を漏らす。

「会議の雰囲気からすると、エリアッドもだいぶ苛ついてるようだな。そろそろ何か思い切った作戦が来るんじゃないか?・・・っ痛」

ポムトラッカーの隊長が頭を抑える。

「どうした?」

「最近調子が悪くてな。5分に一度くらい頭痛がするんだ」

「そりゃいかんな。RvRは休むか?」

「いや、大した痛みじゃない。ただ、原因不明で急に来るものだからストレスが溜まる」

「風邪とかじゃないの?うーん、熱はないみたいだけど」

エルフのぼぶが心配そうな顔で自分の額と隊長の額を合わせる。唇がつきそうな距離だ。

画像


「ひぇぉおぅ!」

その様子をじっと見ていたヒューゴが突然、奇妙な声を上げてうずくまった。

「ど、どうしたの?」

「急に寒気が・・・。風邪・・・かも・・・。ぅげほっ。げほっ」

「えっ」

頭を抑え、がたがたと震えだす。そこはかとなくわざとらしい仕草だ。

「うう・・・頭が痛い・・・。熱は・・・ああ困った、自分ではあるのかないのかわからない・・・」

「大丈夫・・・?」

ヒューゴの頬に手が当てられる。ヒューゴの口の端が少しだけニヤつく。

『来た来た、そうだ・・・額と額をくっつけるんだ。驚いて俺が思わず顔を上げるとあらやだ唇までくっついちゃって、ついでに耳とか胸とかも触っ、いや偶然手が当たっちゃったりなんかするかも、ぐひひ』

額に相手の頭の感触。

「うーん、熱はないみたい・・・」

『よしここだ・・・!ん、なんか毛深い・・・?それに背がやけに低いような・・・』

ちらりと目だけ上げて相手を窺う。

「大丈夫?」

心配そうな顔でヒューゴと額を合わせているのは、メスポムのキノコだった。

「お前じゃ・・・ねぇんだよぉぉぉ!」

ヒューゴはキノコの頭を鷲掴みにすると、砲丸投げの要領で空の彼方へと投げやった。

「・・・元気そうじゃない」

「ん・・・・・・・・・まぁな」

「ほら、漫才はいいから今回の作戦確認しようぜ」

けんTが促す。4人はRvRフィールドの地図を広げて眺める。投げられたキノコもムササビマントで帰ってきた。

「今回も俺たちはラング東壁への攻撃か?」

「そうね、いままでもかなり成果は出てるし。攻撃と陽動を兼ねて、ラング1の敵前線を引き下げましょう」

「んじゃキノコ、ハイディン頼んだ」

「ガメ5やキリ2への陽動を抑えたら連絡するからリコールしてね」

「了解」

「やっぱ神秘はキリエン狙って来てんのかな」

「だろうな。ガメディスに攻め込む様子は見受けられない」

「じゃ、今回もとりあえずキリエン守りつつラングを攻めると。他の部隊はどうなってるんだ?」

「えっと、空虚はまた少人数で裏工作してもらって、キリ2には技術者のライトブロックを多数設置、ガメ5キャンセラ周りに警備担当を配置・・・あと幻滅〜獅子〜血闘はいつもエリアッドの遊撃部隊に攻められてるな。どうする?」

「あまり問題はないだろう。ガメ5のキャンセラを取られたらまずいが、長時間制圧されたことはない。少数PTが見回る程度で構わないと思う」

「キリエン西壁もガメ5の見回りがいるからすぐ対処できるか。キリ城門は攻めてくるかな?」

「それらしい動きは何度かあったな。ガメ5キャンセラが建てられて同時に城門が攻撃されると東壁が手薄になる」

「ああ、一度かなり削られたな、東壁」

「まぁこっちの攻撃が勝ってラング東壁を破る方が先だったけどな」

「さて防衛はそのくらいでいいが、攻撃は?」

「やっぱりラング3のアドバンスベースは占拠したいな」

「ではラング1でのキャンセラ設置次第攻めるか。兵器が前線に集中し、獅子が占拠できてればそこから飛べばいいし、前線が押せるようなら押す、或いはハイドで抜けてリコール又はサミットンと」

「そんな感じかな」

5人は一息ついて地図をしまう。

「しかしノローナキャスターうざいよな」

「だね。内城に入るといっぱいあって大変」

「とはいえ、外壁さえ破れればかなり向こうの陣形崩れるからな。いかに早く破るかだ」

「最近は内城ドアまで破れなくてスチームコア叩いたことないもんねぇ」

「向こうが攻めてくりゃ動きようもあるんだけどな。全軍防衛に回られるとさすがに・・・」

「キリエン東壁を攻めさせるか」

「ん?」

「ラング3を取り、ラングディル城の東壁を破壊したらラング1をあえて明け渡して、こちらの前線を引かせる。防衛には最低限の人員だけ残す。東壁が崩れれば当然キリエン城内にエリアッドはなだれこむだろう。RvR終了の20分前くらいでいいと思う」

「それで?」

「キリエンは捨てる」

「えっ」

「・・・くらいの気持ちで行く。兵器を含めた主力はとにかくラング内部を攻め込む。マシンガンなどのライトブロックは9割キリエンに置いて極力攻め込ませない。向こうも30分前ならキリエンに向けて総攻撃をするかもしれない」

「こっちも同じ状況じゃない」

「攻め込んだ時間が違う。俺たちの方が先に外壁を破ってるから恐らく内部に到達するのもこちらが僅かに早い。戦力の集中も大切だ。キリエン東壁が破られたらしばらくは防衛に人数を裂き、ラングには近づかない。敵の兵器がほぼキリエンに集まった時を見計らってラング3を一気に制圧、兵器とともにラングを攻める。やっとキリエンを攻められるんだ、あっちはかなりの数がキリエン内部にとどまるか向かうと思う」

「キリエン取られちゃうんじゃないかなぁ」

「いいんだよ、最悪取られてもこっちがラングさえとれれば。エリアッドの連中は攻めに慣れてないだろう。ラングを取り戻すのに手間がかかると見た。もしかしたら今のようにキリエン防衛一辺倒になるかもしれない」

「それじゃだめじゃない」

「いや、ラングに比べてキリエンは守りにくい。特にキリエン1城だけ持ってる場合にはな。例え最初は防衛に傾いていたとしても、いずれラングを攻めるだろう。そうすれば戦力が分散する。同時に両方のキャンセラにも結構戦力を割くだろう。速攻で攻め入り易そうな東西どちらかの壁を破ってやればエリアッドは防衛の方に更に戦力を回す。だがキリエンは他の2城と違って内門も3つある。撹乱させてるうちにもう一方の外壁も破壊すればもっと攻めやすくなる」

「ラングは捨てるの?どうも防衛の戦力のことを考えてないみたいだけど・・・」

「エリアッドの大半はおそらく防衛に回って、ラングディルへの攻撃部隊はそれほど多くないんじゃないかな。こちらの防衛が甘い分、ほどよく攻撃は進むだろうから、なかなか攻撃部隊は防衛に回ろうとはしない・・・と思う。とにかくさ、今の状態じゃなにも変わらない。エリアッドにキリエンを取らせた方が3城独占に向けて進めるような気がするんだ」

「ふうん・・・一応、上には掛け合ってみるね」

「うし、じゃあ打ち合わせは終わりかな」

「おつかれー」

「狩り行ってくらぁ」



RvR前日、エリアッド王国ビジュミルの居酒屋。

「マスター、お代わり」

一人のエルフが虚ろな目でカウンターに座っていた。すでに酔っているようで、頬が朱色に染まっている。スチームラジオからは切なげな演歌が流れている。他に客はいない。

「明日のRVRに響きますよ。もうそのくらいにしといた方が」

若いポムの店主は明日のRvR後に行われるであろう宴会用に料理の仕込をしつつ、彼女を諭した。

「いいのよ!どうせ・・・私なんか・・・」

エルフはすすり泣き始める。長い耳がぴくぴくと震える。マスターはひとつ溜め息をつき、やれやれといった感じでコップに冷水を注ぐ。

「ほら、運命の湖の上流で採れた新鮮なミネラルウォーターですよ。気分がすっきりします」

だがエルフはそれを受け取らず、突っ伏して泣き続ける。

「水じゃないのよ・・・お酒が欲しいのよ・・・ぐすっ」

「困ったな・・・」

その時、店の扉がガラガラと開けられて一匹のタルンが入ってきた。城の会議室でキノコの頬を切った兵士だった。

「いらっしゃい!」

「熱燗一本」

タルンはエルフの二つ隣の席に座ると、深刻そうな顔で机の一点をじっと見つめている。

『この人もなんか悩んでんのかな・・・』

徳利の露を拭き取りながら店主のポムは思った。簡単なつまみと共に酒をタルンの前に出す。

「龍騎士の団長さんですか?」

ポムはタルンの胸の勲章を見て尋ねた。

「ああ。今回のRvR作戦担当だ」

「そりゃお疲れさんです。お忙しいでしょう」

「まったくだ。戦況は膠着するわ会議は荒れるわ、資金が不足する・・・問題だらけだ」

店主が勺をする。タルンはくいっと飲み干す。

「作戦もこれといったものが思いつかん・・・。行き詰ってしまったよ。ふ、こんなことを話してもしょうがないか・・・」

「なんか焼きましょうか?」

「そうだな、ねぎまとレバーをくれ」

「まいど」

網に焼き鳥が乗せられる。炭火で炙られて鳥の香りが立ち上る。

「・・・獣臭いわ」

不意に、エルフが顔を上げてタルンを睨んで言った。

「いや、焼き鳥の匂いですよ」

ポムがフォローする。

「違うわ。このでっかい犬から臭ってくるのよ。戦いしか知らないようなこの独活の大木から」

画像


「ちょっと、クレシェンドさん・・・」

ポムが剣呑そうな顔で窘める。だがエルフはなおも続けた。

「戦争する人って楽よね・・・。敵ってのがはっきりしてんだから。とにかく相手を倒して施設を壊してけばそれでいいんだからね」

脂汗を流すポムに対して、タルンは動じない様子で手酌をし、酒を呷る。

「私たちは違うのよ!戦争屋の兵士さんたちとは違ってね、普通に暮らしてると"敵を倒す"、なんて分かりやすい仕組みじゃないの!人生とは戦いだ?はっ、よく言うわよ。戦いってのは他人を倒すことでしょう?そんなんじゃないのよ!何をしていいかわかんなくて、自分が嫌になって、迷って悩んで苦しむのを繰り返すだけ・・・!」

「悩んでいるのか?」

「ええ、そうよ。もうどうしようもないのよ。行き詰って塞がって、身動き取れなくなっちゃってるの」

タルンは徳利を逆さまにした。ボトリ、と最後の一滴が猪口に落ちる。

「店主、もう一本」

「あ、へい」

ポムは空の徳利を下げ、燗のついたものと取り替える。

「・・・悩んでないでなんでもいいから前に進め、とか思ってるんでしょう」

エルフは更に愚痴をこぼす。

「動け、とか進め、なんてのは、他人に怒鳴るのは簡単よ。とても簡単。でもそれじゃ人は動けないの。強引に背中押されて走り出せるようなものじゃないのよ。たとえ自分から前進したとしても、傷ついて疲れ果ててまた今の場所に戻ってくるわ」

ポムは焼き鳥をひっくり返す。タルンは黙って呑み続けていたが、ようやく口を開いた。

「俺も悩んでいる。その気持ちはわかるつもりだ・・・。そうだな、ただ単に人を鼓舞するだけじゃ動けないよな・・・」

「もうだめなのよ、あたしたちは。こうやってだらだらと時が流れておばあさんになって死んでいくのを待つだけなの。いや、きっとその前に道端で倒れてくたばるわ」

「あっ・・・」

ポムが短く声を上げる。エルフはタルンの徳利を引ったくり、直に口を当てて一気に飲み干した。

「だがそれじゃ、いかんよな」

エルフの不躾な行為に腹を立てることもなく、タルンは自分に言い聞かせるように言った。

「いかん。それは絶対にいかん。どうすればいい?方法が必要なのか。前に進む方法・・・」

「ないわよ、そんなもの」

「いや、あるのだ。きっとある。同じ場所に戻って来てしまうというなら・・・そうだ、戻るべき場所を変えればいいのだ」

「は?」

「誰だって、必ず拠り所とするものはある。旅に出たものが帰るべき所のようなものだ。無くては生きていけられん。ただし、その拠り所を変えることが出来ればあるいは・・・。そうか、今の場所を捨てて外の地に自らの帰るべき場所を作る・・・これだ!」

「何を言ってるのかわからないんだけど・・・」

「見せてやる」

タルンは立ち上がり、何か意を決したようにエルフに告げた。

「俺が、前に進む。その姿をお前は見てくれ。迷い込んだジャングルに道を切り開いてみせる。迷った者には、先に進むものの姿を見せてやることが肝心なのだ。そうに違いない。後はその者がどうするかはそいつ自身が決めればいい。俺は何度でも先に道を切り開いてやる」

「・・・?」

「明日のRVRに参加してみてくれ。俺の腹は決まった。店主、お代は置いていくぞ」

「あ、まいどー」

力強い足取りでタルンは店を出て行った。

「・・・なんだったの?」

「いや・・・わかりませんか?あなたを励まそうとしてたんですよ」

「へぇ・・・」

「まぁ、そんだけ酔ってちゃねぇ・・・。とにかく、明日のRvRに出てみたらわかると思いますよ。あの旦那が何をするかはわからねえが」

「あ・・・その焼き鳥頂戴」

「・・・」

ビジュミルの晴れた夜空には、三日月が浮かんでいた。







つづく|ω・`)






いろいろ問題あるかなと思ったけど、RvRネタのSSにしてみました。
文中の戦術等に関してはかなりいい加減な推測と妄想で書いてますので、信用しないでください。
いっぱいいっぱいな感じを楽しんでいただければ|ω・)

とりあえず続きます。続きはほとんど何も考えていませんが、ぐだぐだにならないように気をつけます。すでに破綻してるかもですが。

いや、むしろ破綻するくらいの勢いが今必要とされているんじゃないかと!
それこそ島本和彦さん並みの!決して、島本さんの漫画が破綻してると言ってるわけじゃないですが!

「虫は捕ったか?海には潜ったか?暑いー!と言って、夜中に目が覚めたりしたか?負けるな!動け!クーラーの効いてないところへ行って、汗だくになって帰って来い!今更どこへも行くところがない・・・では漫画を読め。この際、名作を読破するのも一つのベストな夏の過ごし方かもしれん」

漫画じゃないけど島本さんの言葉から引用( ・ω・)


もともと戦争とか軍事関係に興味がないので、必要な単語が全然でてこない( ̄Д ̄;
ぐぐっていたら、ROやFEZとかの戦術考察ページやwikiに飛んだりして、これはあまり深く語るのは無理だと悟りました。

まともにRVR書くと登場人物の数がえらいことになりそう。
基本的にはブログをお持ちの人しか登場してません。「俺はこんなキャラじゃねえ」とかの反論があったときにその方が都合が良いかと思うので。


例:桜夢さんのブログへの反論〜

なんだか僕が変態チックな晒しを受けていたのですが|д・)
不名誉な称号は紳士な方にお渡しします。


>>▲逃げても吸い付いてくるこの顔……!

いやいやいあ。
▼僕から見たらこうだったんですよ!
画像

ほら離れてる(´・ω・`)

アドバンスベースの中はひんやり冷房が効いてて涼しかったです。


>>ヒ○ーゴさんとどっちがエロインだろう...((;゚Д゚)ガクガクブルブル

ヒューゴさんです(´・ω・`)【断言】

”エロイン”・・・検索したら結構あってびっくり。



ナナメ読みしただけなのですが、FEZとかってNSよりも戦略が重要みたいですがどうなんでしょうね。

SS中の、エリアッド民がタクシャンに移住したとかはもちろん嘘です。あちこち嘘ばっかりですが、本当のことを書けるはずもないので|ω・)



ネオスチに対する不満の声を多く聞きますが(僕も言ってますが)、あんまりそういうの聞くとやる気が失せてきますよね。そこで、もし次の公式イラストレーターが島本和彦さんだったら・・・と考えてみたらなかなか楽しそうな妄想ができました(笑)
「吼えろペン」「逆境ナイン」「炎の転校生」「アニメ店長」などを描かれる熱血漫画家さんです。

島本さんのflash(ネタ)。

動け!
http://www.geocities.jp/mes_chansons/simamoto2.html

サンタになれ!
http://www.geocities.jp/mes_chansons/simamoto.html




僕はオンラインRPGはネオスチが初めてなので他のゲームがどうなっているのかあんまり知りません。オフゲーと違う魅力は常に新しいアップデートが来ていつまでも楽しめるところだと思ってました。ちょっと期待しすぎたかも。まぁゲームですので飽きたらしばらくやめるのもしょうがないかとは思います。気が向いたら戻ってくる、くらいの気持ちで気軽に。久々にスーパーマリオを引っ張り出してやってみると結構面白かったりしますしね。違うか。
僕もHDに余裕さえあればいろんなゲーム試してみたいのですが、どう見てもあと一本くらいしかインストールできない。いや、HC購入したばかりだし達人も残ってるしまだネオスチでやりたいこと全っ然終ってないですから移ることはないと思いますが。

なんとなくライエル制服。
画像


ではまた|ω・)ノシ

ていうか今日RvRだ。



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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ビジュミルの居酒屋が出てきて、タルンがでてきて、酔いつぶれてる
エルフってきたので、これは私だなって思ったら・・・・
クレさんだったとは。。。( ̄□ ̄;)ナント!!
桜夢ちゃんのところで、『エロスミス』っていったから
ちょっといじめちゃったかなと思ってましたが、SSかいてたのね|ω・`)
見る角度によって、ちがうっていうのがよくわかりますねぇ〜
SSの続きを楽しみにしてますw
erie
2007/08/26 04:11
SS書いてました。あいかわらずしょぼいですが。
ちなみにクレシェンドさんの髪飾りはクレシェンドの音符記号のつもりです。どうでもいいですね|ω・)

エリーさんには違う形で登場していただきたいと思ってます。
ふれ@管理人
2007/08/26 10:25
昨日もエロスミスの座をかけて銃の撃ち合いしてた癖に……(嘘
むささびキノコさんにえらくときめきました。
どうにかしてください。
さくらゆめ
2007/08/26 11:07
>>どうにかしてください。
「お前がどうにかしろ!!」
「わ、私がどうにかする?」
「そうだ!」
・・・と炎尾燃ならいうところです|ω・)
ムササビきのこさんのイラスト楽しみにしてます。
ふれ@管理人
2007/08/26 11:17
自分のキャラの名前見たときには息が止まりましたよ。(ほんとに
で、出た声が、「ぅわぁあぁぁああぁ!!」って感じの声でしたし。(ほんとにw
これはウレシイ!っていうか、イイの?って感じです!

けど、すっごいよっぱだし。w
からんでるし、クダまいてるし。ww
一行もよっぱらってない描写ないし。www
アヤシイ個性がイッパイ付いて、想像以上で楽しかったです。^^v
もし、ふれさんが使いやすいキャラだなあって思ってられましたら、
かまわず使ってやってくださいな。お手柔らかにw

ここのSSをずっと読んでると、erieさんのイメージが……(ゴニョゴニョ
女王様で、おまけに今回のコメを見るとよっぱなんですか。

これはスゴイ!(え
一度お会いしたいもの…(ゴニョゴニョ

髪飾り、イイ感じです!
なるほど〜^^ (逆サイドから見るとデクレシェンドですけどね!!w
指先のト音記号ととっくりの絵も超okです。(><

最後になりましたが、ありがとうございましたっ!!
クレシェンド
2007/08/29 01:53
「ぅわぁあぁぁああぁ!!(勝手に使いやがってぇええ)」
じゃないんですね|ω・)ホッ

感想ありがとうございます<(_ _)>
変なキャラにしてしまって申し訳ないです(´・ω・`)
使い倒させてもらいます。
ふれ@管理人
2007/08/29 17:57

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