おむかい

夏なので怪談ぽい話に再挑戦




 高速道路を下りて道なりに1kmほど走り、眼科医へは左折500m、寺まではあと直進1km、という案内看板がある交差点を南に折れ、花屋の角を曲がって道幅が狭い路地に入ると、やがて伯父の家に着く。築40年の二階建て。屋根は色褪せ、壁には年月に抗いがたく染みついた雨垂れの跡。その古さの所為か、あるいは曇り空のためか、それとも俺の中にわずかにある不安感からか、今日は殊更に陰気な印象を受ける。

 庭の駐車スペースには、年季の入ったグレーのセダンが停められている。伯父のものだ。伯父は家にいるのだろうか。セダンの横に自分の車を停め、砂利を踏みしめながら玄関へ向かう。

 玄関の赤い郵便受けには、手紙や封筒が押し込まれるように入っている。新聞受けに入りきらなくなった少なくない数の新聞が、新聞販売店のロゴが印刷された透明な袋に詰め込まれて、引き戸に立てかけられている。呼び鈴を押し、20秒ほど待ってみたが、反応が無い。もう一度押し、ごめんくださーい、伯父さーん、と声をかけてみたが、人が出てきそうな気配は無い。玄関には鍵がかけられている。


 定年退職した一人暮らしの伯父と連絡が取れなくなってから、2週間が経つ。正確には、連絡を取ろうとしてから取れないままに2週間が過ぎた。家の掃除をしていたら伯父の子供の頃の玩具が出てきたとかで、そのことで親父が何度か電話をかけてみたのだが、一向に伯父と連絡がつかないのだ。たぶん大したことじゃないと思うんだが、何か心配だから、お前ちょっと見てきてくれないか、と夏バテ気味の親父に頼まれて俺は伯父の家に来たのだった。

 どうせ掃除でもした際に電話線が外れてそのままだったとか、親父が電話を掛けた時に限って留守だったとか、そんなわかってみればバカバカしいような理由だろうと思っていたが、ここ三日ほどは昼にも夜にも電話に出ない。さすがに不安にもなる。また、このご時世には珍しいことに、伯父は携帯電話を持っていなかった。そんなもの持っていても鬱陶しいからだそうで、それは俺も共感できる。とはいえ、俺はもう手放せないけれども。

 家の周りをぐるっと回ってみる。カーテンの引かれた窓。裏口。どこもしっかり施錠されている。草や庭木がやや伸びている。まったく手入れをされてきていないというわけでもないが、ここ1か月ほどは放置してしまっていた、というような感じだ。伯父はそれなりに身だしなみや家周りは整えておく人だったと思う。古い家であちこちが劣化しているが、荒れ果てているという感じではない。

 伯父はいなくなってしまったのだろうか。旅行ではないだろう。長旅に出るなら、新聞を止めたり親類に連絡くらいするはずだ。常識外れな奇人ではなかった。嫌な想像が浮かぶ。失踪、自殺……そんな素振りは見せなかったと思うのだけど、年に何度も会うわけでもないから、会わない間にどんな心境の変化があったかは知る由もない。独り暮らしならなおさらだ、と思う。あるいはなんらかの事件に巻き込まれた、とかだろうか。

 最後に伯父に会ったのはいつだったっけか。1年前の祖母の葬式のときだったろうか。そういえば、あれから伯父に会うことが少なくなったような気がする。少なくなった、と言っても、年3回が年1回になったという程度のことだけれど。電話は時々来てたかな。どうだったろう。思い出せない。

 自宅に連絡する前に、もう少しだけ状況を確認しておこうと思った。もしかしたら近頃話題になっている孤立死という可能性だってある。連絡が取れないのを不審に思った親類が自宅で遺体を発見……というどこかで聞いたニュースが思い出される。できれば俺も家の中に入って確認しておきたかった。

 合鍵があればな、と思う。独り暮らしでも鍵を失くしてしまうことだってあるのだから、そんなときの為にきっとどこかにバックアップとして置いてあるのではないか。

 再度裏口を覗いた時に思い出した。子供の頃この家に遊びに来た際、俺は近くの側溝に足を落としてしまった。それで泥だらけになった靴と足を、この裏口にある外の水道で伯父さんに洗ってもらったことがある。そうして、そのまま裏口から二人で入ろうとしたらドアには鍵がかかったままだったので、伯父さんは近くのどこかから鍵を取り出してきて、開けてくれたのだ。もうかなりぼやけた思い出だけど、その場面は頭の片隅に残っている。

 裏口の近くには、庭の手入れに使う用具やハシゴ、または車の用品などが置かれている一画がある。トタンと塩ビの波板や木材で作られた物置のような場所。たしか伯父がここに引っ越した時に親父と伯父とで一緒に作ったものだと聞いたような気がする。

 鎌や剪定ばさみなどが入れられた小さな木製の棚を探っていたら、やっと鍵を見つけた。棚の裏側に錆びた釘の頭が少しだけ出ていて、そこに掛けられていた。裏口の戸をもう一度ノックしてから、ノブに鍵を差し込み、開錠する。ゆっくりとドアを開けると、蝶番が少し軋んだような音を立てた。

 伯父さーん、と家の中に向かって、再び声をかける。無音。少なからず恐怖に似た感情が首をもたげる。失礼しまーす、と小声で言いながら、靴を脱いで家の中に上がる。薄暗い食堂。その隣の居間にも人気は無い。冷蔵庫が微かに唸っている。

 ふと、伯父が今ちょうど帰ってくるような気がした。ガラガラと玄関の引き戸が開き、あれっ、了ちゃん、どうしたの? あ、いや、実はこういうようなわけで……すいません、勝手に上がっちゃいました。あぁそっか、ごめんね、ちょっと旅行に行ってたもんで……。そんなようなやり取りがこれから起こるのじゃないかと思った。

 でも、伯父は来なかった。俺は食堂と居間をしばらく交互に行ったり来たりして、テレビをつけてみたり、意味もなく水道の蛇口を捻ってみたりしたが、玄関の戸が開かれることはなかった。水道からは数秒間、赤錆びの混じった水が出た。台所の水切りカゴには、洗われた一人分の食器が置かれたままになっていた。食器の表面には、うっすらと埃がついていた。ややためらいつつも、冷蔵庫を開けてみた。開封済みの牛乳や半分使いかけの豆腐は賞味期限が1週間も過ぎていた。刻まれた野菜がボウルに入れられ、ラップがかけられていた。

 悪い想像が再び頭をよぎる。買い物だの旅行だのに出かけている、という可能性が否定されてゆく。伯父の部屋は二階だったっけか。覚悟を決めないといけないかもしれない。深夜、寝ている間に突然の発作で落命する伯父の姿が目に浮かんだ。死体を見ることになってしまうのだろうか。階段の手すりを握り、一段目に足をかける。

 そこで気づいた。異臭がしないのだ。経験したことはないが、もし人が死んでいたとしたら相当な腐臭がするはずだ。たとえミイラのような状態になっていたとしても、何らかの臭いはするのではないか。それに気づくと、幾分か安心した。大丈夫、伯父は死んではいない。いや、もしかしたら、今まさに瀕死の状態にあるのかもしれない。そう思うと、階段を上る足が速くなった。

 階段を上り終えたところで、伯父さん? と二階の空間に向けて声を放つ。自分の声だけが廊下に響く。2つの部屋の扉はどちらも開けっ放しになっていた。唯一閉まっている廊下の奥の一つはたしか物置だ。掃除用具なんかが入っていたと思う。手前の部屋は物置兼書斎で、次の部屋が伯父が寝泊まりする自室。手前の部屋は無人だった。続いて、伯父の部屋へと入る。見てはいけないものを目にしてしまう予感に、心臓の鼓動が早まる。

 ……誰もいなかった。古びた畳の上に、卓袱台と畳まれた布団があっただけだった。装飾を欠いた、簡素な部屋。壁際には箪笥と本棚。卓袱台の上には魔法瓶と急須と茶碗、灰皿、ライターと煙草の箱。灰皿には煙草の吸殻が何本か残っている。それらが窓から差し込む淡い日光に晒されていた。

 急に体から力が抜け、溜息が漏れる。理由はわからないが、伯父はここにはいない。消えてしまったのだ。まだ部屋の中に倒れてくれていた方が良かったような気さえした。まさか身内から行方不明者が出るとは……。彼の身に何が起こったのか、あてどもない想像が現れては消えていく。階下の冷蔵庫の微かな唸りさえ聞こえそうな、俺以外の人間の気配がない静けさが、身に沁み込んでくるようだった。

 卓袱台の脇に腰を下ろし、携帯電話を取り出す。実家に電話しなければならない。なんと言えばいいだろう。親父たちにとっては、俺よりもショックな出来事に違いない。何かの景品でもらったストラップのついた、折り畳み式の携帯電話をしばし手の中で弄びながら、それでもどこかに伯父が帰ってくるような望みの切れ端があるのではないか、見落としているものがあるのではないか、と思案しながら、何気なく窓から外を見つめる。

 その時、なにか違和感を覚えた。窓……。そうだ、そういえばこれが異質だった。他の部屋の窓は一階も二階もすべて、色褪せたカーテンで閉ざされていたのに、この部屋のカーテンだけが開けられている。カーテンタッセルで束ねられてはいないが、外の様子がわかる程度には開かれていた。

 携帯電話を卓袱台の上に置き、窓際に歩み寄り、外の景色を見る。狭い道路を隔てた向かいの住宅の、二階の部屋が正面に見えた。

 その部屋には女が一人いた。洗濯物を干しているようだった。年は30歳前後だろうか。ゆるくカールさせた黒髪に、柄の無いワンピースのようなシンプルな部屋着。顔は悪くない。盗み見しているようで気が引けたが、なにか人目を惹く雰囲気があった。

 なおも続く、正体のわからない違和感。なんだろう。頭がぼんやりとしてくる。でも、このままいつまでも見ていたいような―――

 ぴりりりりりり。不意に背後で鳴った電子音にドキリとした。夢から引き戻されたような感覚を覚える。振り向く。卓袱台の上でライトを明滅させながら携帯電話が鳴っていた。

 実家からだろうか……? まだどこか寝起きのようにぼんやりとしながら、俺は携帯電話を手に取り、片手で開く。ディスプレイに映る文字もよく見ずに、通話ボタンを押して携帯電話を耳に当てる。

 「了ちゃん」

 伯父の声だった。

 「……伯父さん? ……どこにいるの?」

 急速に頭が覚めてくる。伯父はどこから電話してきているのだろう。あの女は誰なんだろう。伯父の声のトーンが、やや聞き慣れない無機質な感じなのはなぜだろう。

 「そこから、出て行ってくれないか」

 その瞬間、部屋が赤く染まった。窓から赤い光が揺らめきながら差し込んでいる。外で、何かが激しく燃えているように。おそらく家屋だ。消防車のサイレンが近づいてくる。その中に、女の叫び声のようなものが混じっている。何なんだ。たった今まで火の気などなかったのに、

 「振り返るなよ」

 体全体が硬直し、振り返ることができない。俺は携帯電話をゆっくりと耳から離す。ディスプレイに目をやる。通話先の表示はここ、伯父の自宅だった。混乱する頭が、理性なのか反射なのか、通話を切れと促した。携帯電話を折り畳むとき、まだ通話中の伯父の声が微かに漏れ聞こえたが、よく聞き取れなかった。

 「……れだけの……なんだ……」

 揺らめく炎の光とサイレンとを背に、ふらつきながら部屋を出て、後ろ手に部屋の扉を閉めた。

 それと同時に、サイレンが鳴り止んだ。曇り日の灰色の空間に戻った。もう一度部屋の扉を開ける勇気は無かった。覚束ない足取りで階段を降りる。玄関横にある固定電話が目に入った。受話器はかけてある。視線を下に落とすと、電話線が外れているのが見えた。

 裏口から伯父の家を出た。庭に停めた自分の車へと戻る。道を挟んだ向かいを眺める。そこには、伯父の部屋から見えたはずの住宅などは無かった。ブロック塀の奥は、更地になっていた。伯父の家に目を戻し、二階を見上げる。あのカーテンの開いた、伯父の部屋。一瞬だけ、赤い炎に照らされた伯父の顔が見え、すぐに消えた。


 その後、俺は両親と一緒にもう一度伯父の家を訪ねて家中を探し回ったが、とうとう伯父の姿は見つけられなかった。親と共に伯父の部屋から外を眺めたが、あの時見た向かいの家は見えず、更地があるだけだった。親父は警察に捜索願を出した。俺の携帯電話の着信履歴には、あの日伯父からかかってきた電話のものが何故か残っていなかった。

 聞いたところによると、伯父の家の向かいには以前たしかに住宅があったが、ひと月前に火災で焼失していた。全焼した家屋の焼け跡からは、そこの住人と思しき女性の遺体が発見された。火災の原因は放火が疑われている。犯人はまだ捕まっていない。

この記事へのコメント

kenken
2015年07月31日 23:45
えーーーっと、
あまり話したり書いたりしないほうがいいですy。
何気に皆さん集まって来ます。
ま、おじさんになって鈍くなったkenさんは、
今は出張先でも何も起こらなく、普通に寝れるように
なりました。。
Flerov
2015年08月01日 01:54
ほら、そういうこと言わないで下さいよ。来ちゃうじゃないですか。記事本文よりそういうコメントの方が怖いよ! 若かりし頃にはなにがあったの!
普通に寝れるようになりましたね。子供の頃の僕はなんであれほどまでに怖がっていたのだろう。なんで今の僕はそれほど怖がらないのだろう。もしかしたら僕自身が、そういうものに近づいているからではなかろうか。うらめしや……この世の何もかもが恨めしや……
はんちょ
2015年08月10日 02:03
kenkenさん、お久しぶりー

…と、人様のコメント欄でするこっちゃないか。

私も以前頻繁に出張にいっていた時期は、ホテルにはいったらまずすることは持参した塩を部屋の出入り口や、扉、鏡、部屋の四隅、ベッドの隅にお経を唱えながら撒いて清めること。
おかげさまで、平穏でよく眠れてました。ご先祖様も守ってくれていますからね!
まあ、一度、久留米でお酒をカパカパ呑んで、無意識のうちにシャワー浴びてそのままベッドでひっくり返って爆睡して翌日の会議に盛大に遅刻しかけたという思い出もあったりするくらいちゃんと寝られていますね、ええ。
Flerov
2015年08月10日 14:30
ほう! 記事の内容には触れずに我以外の者とこの場で交流を企むと申すか。

よい。よいわいのぉ。なんにせよ賑わうのはよいわいのぉ。

まじか。ホテルでそんなことしてたのか。こえーよ。その仕草が怖い。もし同室の人がそんな儀式だかまじないだかしてたら、「何? この部屋なんかいるの?」って逆に気になり始める。

そういうのは中学生までですよ。以降はお酒の力でなんとかなるよ。そうだよ酒だよ、これで身を清めてるんだよ。お神酒。決してこれはアルコホルに惑わされたとか逃げてるとかじゃないんだよ。うん。そうだな? そうだよ。

深夜に目を覚ましちゃったような時がいちばん危ない。夢から覚めたばかりの無防備な精神。わずかに隙間が空いた扉の向こうに、視界を外れた足元に、ベッドの下に、背後にトイレに天井裏に、やつらがいる。不意に、きゅっ、と足首を掴んできたりするのだ。南無阿弥陀仏南無妙法蓮華経般若波羅蜜多、カは仮面のカ、ウは宇宙船のウ、おんきりきりドウマキサラムーン、光出でよ、汝のあるべき姿に戻れ。知る限りの経を唱えて手を合わせ拳を握り締め、小宇宙を燃やしてスタンドを出そうと試み、オラオラオラと脳内にて幽的を打倒する一連の流れ。

これがお酒一発でどうでもよくなる。素晴らしき哉。
kenken
2015年08月14日 20:49
はんちょ~愛してるよ~(そこかw
で、大阪の37とか38とか体温以上を生き抜いてるKenkenです。
フレさんのご質問に、軽くだけ答えますと。
ちなみに、最近はかなり鈍くなり。
ま、ドライブ中とかに、田舎の山道の廃墟の裏のお墓とか、
かなりひなびたおじぞうさんとか、まぁ墓地とか位しか
気がつかなくなりましたw
若かりしころの広島出張とか、夏はいつもとまっているホテルの部屋
入っただけでいやで、その後はベット以外は部屋中ラップ音とか、
1年すんだ文化住宅(としか言いようのない住宅w)では、
友達が来ている夜に、上に人住んでないのに子供とかの足音・
トイレの扉は勝手に開く。鍵は超簡単な引っ掛けタイプだが、
引っ掛け開けても無く開いて閉まり、その後は鍵見たらしまってる!?・
もう帰ると友が玄関に行くと、スリガラスタイプのドアの向こうで
なんか2個くらいポワッーっと玉がwww
超お化け屋敷かという時代も(遠い目^^;;
さ、お盆です、皆さんご先祖様と語り明かしましょう~
Flerov
2015年08月14日 23:58
なんだなんだ、そんな楽しげな体験をしていたのか。ずるい。人に起こったことを聞く分には。自分がそんな状況にいたら、やはり部屋の隅でガタガタ震えて念仏でも唱えてやり過ごすしかない。
文化住宅いいですよね。相応に古びた、いかにもなあの佇まいが。見る分には……。
なんだかんだ言いつつ僕はやっぱり背後に何かいるんじゃないかというのが怖い。なにかいる、なにかいる……。じゃあなにもいないのは怖くないのかというと、それもなんだか怖い。
ご先祖様と話すことはなにもないです。絶対もう間違いなく説教される。こんこんと。やめて。やめて。
はんちょ
2015年08月24日 00:05
kenkenさんの話、スッゴい怖いんですが!
……と、またもこちらのご主人ほったらかしで、コメント始めてしまった。

うーん、なんていうか、こちらは安心できるというか。いつも開店してるお客のいる呑み屋さんというか。
ここ来たら誰かいるというか。

お前んとこもあるだろうが頑張れや!と言われそうなので、これぐらいで。
いやー、今、書ける事ってバトルガールハイスクールの事くらいなんですけどね。
あと、頑張ってココロの方向修正してるというか。

そんなわけで今後ともよろしく!

そうそう。私、ご先祖様、見たことありますよ。夜中、ふと目を覚ましたら、堂々と座ってらっしゃった。
ああ、頑張らんといかんなあ、私。
Flerov
2015年08月24日 20:46
いらっしゃいませ。いや、おかえりなさいませご主人様。
当店では、去る者あまり追わず来る者めったに拒まずの信念で、全コメント返信を心掛けております。なお、右の頬をはたかれたらお客様の左の頬をバットで叩き潰すか、せめても背後からペイント弾を投げつける所存でおります。僕を軽んじる者は許さぬ、許さぬぞおお。

なんかまたおにゃのこがわんさかうごめくゲームにはまり込んでいらっさるのか。わきまえよ。みな心を落ち着けよ。女子は男子をたぶらかすために存在しておる。異論は認めない。たやすく騙されてはならぬ。疑え。じっくりと穴のあくほど観察して判断せよ。視姦せよ。ふう。

堂々と座して顕現せらるるご先祖様とか。脅威。萎縮。僕はもうがんばれないんで、そっちに連れてってもらってもいいですかね、えへへ。ぱしーん。ああっ、平手で打つなんて。ちくしょう、やり返してやる。スカッ。空を切る我が右手。出やがったな、幽的の無敵モード。触れられるとも触れられず。否、これは我が良心。ご先祖様をぶつわけにはゆかぬ。たとえしばかれようとも。ああっ、もっとしばいて。叩きなおして頂戴。くださいませ。この哀れな愚かな豚を……僕は豚の子孫ではない? 嗚呼、もったいなきお言葉。肝に銘じて今日は寝ます。すやすや。