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<<   作成日時 : 2019/01/14 14:57   >>

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バケツの氷が育つのを楽しむこの頃

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東海林さだおさんの「丸かじりシリーズ」が昔から大好きで、というわりには、新刊が出たと見れば書店に駆け込んで買い求めるというほどではなく、時々書店に行った際に、まだ読んでない文庫本を見かけると「お、あったあった」とニンマリしながら手に取る程度のファン。

でもその、たまに見かけた時というのが嬉しい。未読のものが何冊も並んでいたりすると、「お、まだあった、あ、ここにもあった、シメシメ」と、なんだか道で500円玉でも拾ったときのような、シメシメ感が湧いてくる。実際には拾うどころか懐からお金が出て行くわけであるのだけども。とにかく今回は3冊を一度に購入。

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そういう気持ちは、これが文庫本サイズだからかもしれない。もしハードカバーで厚さが指二本分くらいのものだったとしたら、シメシメとは思わないのじゃなかろうか。しかも3冊。

人は(僕は)ハードカバーの本を買うという時には身構えてしまう。「お、あったあった」と手に取った瞬間、本の中身に思いを馳せるよりも、その手に持った感触に心を囚われる。重い、厚い、ハードだから当然硬い、そして高い。ページを開くより先に本を裏っ返して、値段を確認する。へぇ、こんなにするんだ、と、1冊600円そこそこの漫画と文庫に慣れた頭と体は、その倍くらいの価格表示を目にしてびっくりする。

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でも、こんなに重くて硬くて厚いんだもんな、と思い直す。思い直して、ひとまずその本を棚に戻す。3秒くらい表紙あるいは背表紙を見つめ、買うべきか買わざるべきか逡巡する。今どうしても読みたいものなのかな? 本棚を圧迫しちゃうんじゃないかな? 文庫になるまで待ってみてもいいんじゃないかな? でもそれまで覚えていられるかな? しかも欲しい本は3冊だとしたら。

とりあえず1冊は買うことに決める。決断する。覚悟の気持の混じった重みを、手に取った本に感じる。もうそこには「シメシメ」と喜ぶ気持ちはほとんど見当たらない。しめしめ、と思うためには、決断とか覚悟とかいった重たい言葉とは無縁でなくてはならない。

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漫画や文庫本を買う時には、値段のことはハナから気にしない。片っ端からドサドサと買い物かごに入れてゆく。若かりし頃、「げんしけん」で斑目が同人誌を買う時に「値段を見ない」という買い方をしていたのを見て、感銘を受けた。好きなものを買うのにお値段を気にしてどうするか。

あれれ? じゃあハードカバーだろうが、値段など気にせずともよいのでは? そうもいかないんですね。だって漫画じゃないから。漫画なら、たとえ限定版で千円越えててもスッとカゴに入れられる。ところが小説その他活字の本には、実際のところ、漫画より愛着がないものだから、僕の場合はハードカバーの重さと硬さと厚さとに怯んでしまう。

これ、ほんとに千円以上の価値があるのか。僕にとって。この値段の半分くらいは、紙質とか装丁とかあれこれに掛かってるんじゃないのか。いや、売り手側にしてみれば、そうでなくては儲けが出ないのかもしれないけれど、こちらとしては中身さえ読めればいいのだから、やっぱり文庫でいいんじゃないのか。などと、ケチ吝嗇せせこましい根性が首をもたげる。もたげてしまう。

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「シメシメ」とほくそ笑む時というのは、本を買ってからも時折発生する。特にこういうエッセイ物みたいな本だと、僕はいい加減な性格なものだから、途中を飛ばして読んだりすることがある。敢えて飛ばそうと思ったわけではなく、何かの拍子に、たとえばトイレに行ったりご飯の時間を挟んだりした後、なぜか数十ページ飛ばしたところから読むのを再開してしまったりする。本人はちゃんと、前の続きから読んでる気でいる。

そうして読まずに飛ばしてしまった箇所を、同じ本を読み直した時に発見すると嬉しい。お、まだ読んでないところがあったぞ、しめしめ、と思う。なにかお酒のつまみがないかと探していて、戸棚の奥から乾き物が見つかったときみたいに喜ぶ。そういう喜びを大切にしたい……というにはなんだかみみっちいような人間が小さいような気がするけれども、なにしろ嬉しいのだから、まぁ、いいじゃないですか。ねぇ。

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本題。その今回買った本の内の一冊、「サンマの丸かじり」に、「たらこを乾かすとカラスミになる」という情報が載っており、それは簡単そうかつ美味そうだと思って早速試してみたのでした。

まず辛子明太子を買ってきて封を開けて皿に乗せ替えて、冷蔵庫で1週間放置。最初の三日くらいはなかなか乾く素振りを見せなくて焦り、キッチンペーパーで巻いてみたり延してみたりした。

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年末に開始して年明けにはどうにかカラスミっぽく仕上がった。見た目についていえば、厚さ、乾き具合、ともにそれっぽい。色はまぁ真っ赤な辛子明太子そのもの。でもこっちの方が本家より美味しそうに見えないこともない。まぁ、本物の上等なカラスミなんて食べたことないんですが。

肝心の味の方はというと、これがなかなか。歯触り、カラスミっぽい。歯に引っ付く感じも。風味、辛子明太子。にじみ出る味、辛子明太子。でもいろんな感じがちょっとずつカラスミ寄り。いや、かなり寄ってると思う。日本酒もビールもご飯でも、何杯だっていけそう。乾かしてるうちに元の賞味期限はすっかり過ぎてしまったのがやや気になったけど、今のところ問題無し。

とんでもなく美味い、と書くと大袈裟かもしれない。好きな人は好きだと思う。またいつか作ってみたいな。今度はたらこでも。冷蔵庫に入れて日に一度ひっくり返すかどうか、という適当ぶりでもなんとかなりました。

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一昨年亡くなった母も東海林さだおさんの本が好きだったな、と思い、文庫本を仏壇に供えてみた。供えてみたものの、うすうすわかっていたのだけれど、あの表紙の東海林さんのコミカルな絵が、神妙な感じの仏壇にそぐわない。知らない人が見たら、「お前ふざけてんのか、なんでこんな本を仏壇に置いとくんだ」と咎められてしまいかねない。

いや決してふざけてるわけでも表紙の絵を馬鹿にしてるわけでも全然なくて、僕は好きなのだけども、やっぱりこうして眺めてみると、どうしても「軽い」感じが出てしまい、当事者の本でさえ、「えっ、オレここにいていいの」と狼狽しているような雰囲気さえ漂ってしまう。こういうとき、ハードカバーのあの重厚さがあれば、「あ、これはお供えしているんだな」と納得させられたかもしれない。どうかな。

なので、苦肉の策として本を裏っ返して置いておいてみた。こうすれば、真っ白な裏表紙にバーコードとあれこれが書かれているのみ。それに、お葬式の際にはいろんなものを逆さに置くものね。お膳やらなにやら。ところが、そうしたらこれはこれで「置き忘れた」感やら「雑に置いといた」感が滲み出てきてしまい、どうしたものかと5秒くらい悩んだ末にそのまま放置。

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放置しておいたところ、次の日見たら更に裏っ返されて表紙が表に来ていた。父か妹がやったものと思われる。しからばこれを家族の了承を得た、とみなしていいものか。いいやね。いいよね。

仏壇の前でお経ではなく本を朗読する、という案も頭に浮かんだものの、それは客観的に見ていかがなものかと思い直して実行取りやめ。そういえば、入院中の母に本を読み聞かせたのは結局一度きりだった。もっと読んであげられたらよかったな。でも、隣室の人に迷惑にならない程度の小声で、しかしちゃんと聞き取れるように朗読するというのは結構難しかったから、やるならまだ家にいられるときだったなぁと思う。してあげたい時分に親は無し。さればとて、石に本も読んでやれず。やったら相当あぶない人だ。供えるくらいならよかろうて。

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目指してたものが行方不明になったらくがき漫画。

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
ご仏壇に好きな物をお供えするのは良いことだと思うよ!朗読も全然良いと思うよ!
フレロフさんの話を見て僕も本でも読もうかと思いふとテーブルの上を見るとまだ読んでない本があって題名をみたらネクロノミコンって書いてあった!
ちっぺ
2019/01/15 21:39
ほんとですか。仏壇の前に座って笑える本を読んでる人間を見てもそう言えますか。ある意味笑えますが、本当にそれでいいと思いますか。いいよね。いいんだね?

ねくろのみこん? そういうぐぐらないといけない単語を持ってくるのは感心しません。ぐぐりました。くとぅるふ。らヴ。くらふとぅ。思い出した。僕の書庫(段ボール)にも、ラヴクラフト全集(文庫)の1巻が、どこかにあるはずでした。20ページくらいは読んだはずです。その後の行方は不明です。まだ読んでない。まだというかいつかというかいずれというかそのうちというか、あの、あれです。それです。開かずの扉的な、読まずの本。わぁ、想像が膨らむね。シュレディンガーのアレ。アレのままにしておくほうがいいのじゃないかしら。にゃあ。
Flerov
2019/01/15 22:13
コミックの類いは最近、電子書籍の形で購入しています。紙の本と値段があまり変わらないので、最初は違和感があったのですが、やはりいつでもどこでもスマホで利用できる利便性の方が勝利しました。
「ぱんどらのおもひで」なんぞを、どこかで電子書籍であげることがあれば、本ブログでお知らせ下さいね。
FF 14も青魔導師が実装されると耳にしましたので、少しもどりますかね。まだ、イシュガルドすらクリアしていないのですが(笑)。
紅い国のラピン
2019/01/16 18:46
時代は電子になっていってしまうのか……。何より、かさばらないというのが最大のメリットだなぁと思います。部屋の惨状を見るに。うぅ……でも捨てたくない……。何冊かは電子書籍の形で購入もしているし(主にR-18の……ごほっごほっ、絵描くのはもうパソコンでしかやっていないのだけど、それでもやっぱり紙の本というか手に取れる形になってるものはいいなぁと思ったり思わなかったり。くそっ、置き場所さえあれば!
パンサガの思い出! 描くならそろそろ描かないと忘れてしまいそう。いや、もうすでに。なんか描くことあったかなぁ。そうだ、ブログを読み返せば思い出せるな。でも精神的ダメージが大きいから見返すのは厳しいな。いろんな意味で。死……死ぬかもしれぬ……
青魔道士はまだ手を付けてないのですが、ちょっと見てみたいですね。しかしその前に既存のジョブをどうにかせねば。僕も未だにイシュガルドでうろうろしてます。雪はいいなぁ。
Flerov
2019/01/18 00:54
全集は読みにくい!!暗黒シリーズも中々の読みにくさ!星海社の読みやすいですよ
ちっぺ
2019/01/18 20:59
そうだったのか! 読みにくい本だったとは! どうりで読み進められなかったわけだ! 決して僕の集中力や好奇心の低下によるものではなかったのだ! ということにしておこう! ほしうみさん探してみます
Flerov
2019/01/19 06:41
お仏壇にマンガ。
これだけで、じんわりくるんですけども。
Twitterでふれさんのイラスト追っかけられんわーとなっております。
面白いのにねぇ…あかんな、うちのTL。自分の能力を超えてるわ。

たまに構ってくれて有り難とねー!
はんちょ
2019/01/24 10:37
僕が死んだら……漫画とアニソンCD・BD or DVDを供えてください……あ、円盤はダメだな。再生できないからな。PCもよろしく……
最近らくがきしてないな! FF14でカタツムリの如き速度で制作やら採集やらしてるからかな! イシュガルドに家を建てるために資金を! いや買えないだろうけども!

はんちょの短編は拝読しました。おもしろかったです! レヴュー苦手なんでごめんね! 長編は……まだ……な……長い活字は……すまんが漫画で描いてくれんか……
Flerov
2019/01/24 18:53
幽霊パワーで自力再生すればいいのですよ。
昔、幽霊だけど質問ある?ってな2ちゃんのスレがありましたなぁ。あれもなかなかジンワリするものじゃった。

MMOは手を出せません。これ以上手を出すと、お話創ったり、デレステプレイしたりできませんゆえ。
イラスト描いてもらったら嬉々としてRTするので、構えておきます。大上段の構え。ちぇすとー!ってなもんですよ。なに言ってるのかわからんですね。

おお!短編読んでいただけましたか!
ありがとうございますー!!!
人を食った方ですかねーw

フレさん、純文学的なしっかりした文章を書きはる人なので、甘っちょろい文章だったでしょうに。ありがとうございますね!

まったく!長編の方が本筋だというのに…ねえ…
小説初挑戦なので、みなさんのご感想で一喜一憂しております…(一憂はしてないか)

それにしても皆さん、短編の方をたくさん読んでもらえるというね(汗

コミカライズ?
フレさんがしてくれるんじゃ…ゲフンゲフン

ファンアートぼしゅ〜ちゅ〜w
はんちょ
2019/02/05 19:59
なるほどね! 幽……幽波紋的なアレでね! ホワイトスネイクなDISKで! 死んだような目をして生きてるリビングデッドだけど質問ある?

ほんとMMOは時間取られますね。ゲームやると絵が描けない。絵描いてるとゲームができない。仕事したくないからゲームやりたい。現世で生きてるくらいならゲームの中に入ってゆきたい。精神が取られてゆきますね。かわいいララフェルになってハウスの中でらくがきでも描いていたい。

じゅ……純文学的な……? ふざけた文章しか書いた覚えのないのに、これはおそらく遠まわしなDisり。いや、よくよく思い出したらそんな感じのSS書いてましたわ。思い出すとピギャァと叫んで死ぬアレですわ。これは遠回しの精神攻撃。やむなし。断罪。ジャッジメントなレベル5デス。心にケアル。レイズ。勝手に一人で炎上。セルフバーニング。リヴァイヴァ。あっ、これはロマサガ。

やっぱその、長編読むにはある程度覚悟が要ると言うか。長編小説読んでるとしばらくして最初の方忘れちゃったり。最近とみに記憶力の低下が見られます。悲しい。去年ちょっと読んだんよ。でももう忘れてしまったのよ。当時書いてたラフ書きでも送りま……いや、さすがにもうちょっと手を加えないと……
Flerov
2019/02/06 19:54
あー。あれ、ピギャァ案件でしたか。そんなことないのになぁ。探してきましょうか、過去ログ。
と言いたい所ですが、お互い色々ありますから。
リミット外したらお互いに飽和攻撃で、焼け野原になってしまいます。やめておきましょうそうしましょう。生暖かく生きていきましょう。

でも、フレさんの文章って落語的な何かも感じるんですけどね。残念。(言ってる端から)

あら、読んでくれていましたか!
むー。もっと読み始めたら止まらないレベルのものにブラッシュアップしないとなぁ。

どっち方向にしようかなぁ。流行りのラノベ的にするのか、児童文学的にするのか、もっと綺麗に懐かしのジュブナイルに近づけるか。

難しい…
(人知れずここで愚痴る)
はんちょ
2019/02/06 21:25
このブログの9割はピギャァ案件でできております。しかも進行中。過去を漁るまでもなく、今の自分を眺めてみればぴぎゃぁぷぎゃぁ。し……しに……

落語的なアレにしようとしてから回りしている風情が見受けられます。ました。でした。過ぎ去ったものについてはとやかく言うまい。去るモノは追わずして、しかも元の我にあらず。よどみにたゆたうあわぶく。すべる。すべる。

読み始めたら止まらないのはエ〇漫画くらいです。最近はもうなににつけても気力の衰えが。やばい。やばくない? やべぇ……

心のままにいきませう。どっちみちもうそれしかないのだ。苔むした石でも転がるしかないのだ。なぁに、生えてみればこの苔のふかふか具合もわりと心地よい……すやすや。愚痴て朽ちてゆきましょう。枯れ木も山のなんとやら。最期は威勢よく山火事の火種に……・
Flerov
2019/02/07 20:17

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